移住相談会や移住に関連するオンラインQ&Aなどのでよく見られるキーワードをピックアップしてシリーズ化。
前回の情報の収集・整理の次に来る、今回のトピックは、、、
現地のリアルに目を向けよう
地元を離れてから再び戻ってくるUターンや、地元に近いところに移住をするJターン(鹿屋→東京→志布志など)の方も
住んでいた当時と時間が経てば経つほど現地の様子も変わりますしご自身のイメージとの乖離も大きくなります。
いわゆる「浦島太郎状態」、帰ってきたはずの地元が自分にとって近くて遠い存在に…という現象です。
更にその土地に縁が無い・来たことが無いというIターンの方は情報が「ほぼ無い」状態です。
『同じ日本だから言葉も通じるし行けば何とかなる』
そんな甘いことはありません。
なぜなら
〇地方に行けば行くほど方言のアクセントが強い
ということがあります。
たとえば奈良→兵庫とかならちょっと違う関西弁だな~ぐらいに感じるところが、
石川県など北陸地方や、岡山・広島など中国地方に行くとだいぶ違います。(これは私自身の体験談です)
そして今住んでいる鹿児島県は全国屈指の方言「かごしま弁」。
かつて暗号として用いられていたほど、現地人かそうでないかたちどころに分かってしまう独特な言語で、
さらに鹿児島県内でも地域によってまた全然違います。お年寄りほどその傾向も強くなります。
ある程度聞き取りは出来ても、「行間を読む」ことが出来なければ会話をしていてもよそ者感はぬぐえません。
〇生活習慣や文化が違う
都会暮らし都会育ちの方は運転免許を持っていない方も一定数いらっしゃるかと思いますが、
地方の県庁所在地や中規模の都市以外では交通インフラが充足していないため生活に車が必須になります。
全国の成人の運転免許保持率が75%ほどで、東京や大阪など都会は65%~に対してその他は80~85%という数字が裏付けています。
通勤で駅まで歩いて電車に乗り、駅から職場まで歩いていく~という往復のルーティンの中には、
歩くのがきついとか満員電車に押されるというデメリットもある一方で低価格で安全な移動や人との接点もあるというメリットも含まれます。
24時間どころか20時ぐらいで閉まるお店も多いという地域では1日のスケジュール調整も必要になります。
集合住宅住まいで地域コミュニティが無いまま育ったら自治会への参加や消防団の活動なんかも未知の世界ですし、
ご近所さんからの野菜のおすそ分けも有り難いけど次にどうして良いか分からないかもしれません。
〇仕事や住宅、お金の相場が違う
都会→地方(田舎)に来たら安く暮らせるという逸話。
土地や家賃に関してはそうですし、飲食店なんかでも「この金額でこんなに沢山良いものが食べられる」と当てはまることは多いと思います。
しかし都市ガスに比べプロパンガスは確実に高くなりますし、ガソリン価格も都市部の方が安かったりします。
そもそも離島や交通アクセスの悪いところは日用品からして割高です。
それに対して地方でサラリーマンやパートをすればかなりの率で都会よりも給料水準は低くなります。
(地方への転勤で本社の給与プラス出張手当が付くというのは除きます)
ではどうやって家計のバランスを取るか?これは事前にシミュレーションをしておいた方が良いです。
UJターンの方であれば親の土地で農業を始められるとか住宅を建てられる、家業を継げるなどの利点を活かせますが
Iターンの方はそれらの条件無くしてやって来るため移住は出来ても定住へのハードルは残ります。
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ここまで述べたことは必ずしも良い悪いではありません。
人との距離が近くなる経験や田舎だからこそ得られる体験はかけがえのないものですし、
都会暮らしの方が徒歩の移動によって運動習慣も自然とつきますし得られる情報も多いです。
移住は目的と計画を立て、そして何より暮らしの中にモチベーションが無いと続きません。
それらを見据えて良い転機となってもらえれば嬉しい限りです。
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